子どもの表現力を伸ばす方法を知りたい

お困りごとのうちから、「子どもの自己表現力を伸ばす方法を知りたい」というテーマにお答えしたいと思います。学習指導要領で重視され始めて久しいので、注目を集めてから時間が経った話題ですね。

子供たちを見ていて、親御さんの子供時代と比べると、「自己表現をしていこう」という意識がある子は明らかに増えています。それは学校教育の変化、親御さんの意識の変化、習い事でも「表現力」に重点をおく習い事も増えたと思います。そして何より、大人たちが社会に出てから表現力が必要だと言われるようになった影響が大きいのだと考えています。表現力がないと困るよね、ということに大人たちが気づいたことの影響が大きいですね。

「自己表現」のベースにあるのは体験

私は今はほとんど描きませんが、昔よく絵を描いていました。自分で表現したいもの、自分の内から出てくるものを全部絵にしてました。嫌なことも外に出して、子どもなりに昇華させてました。このように子どもによって、表現方法はダンス、絵、話すこと…たくさんあります。一人の子どもに一つとは限らないので、幾つも表現方法がある子もます。多種多様で一つ一つについて書くと膨大な量になりますし、私がその道のプロでもないので、ざっくりと一般的な話になります。

例えば、絵の展覧会でもいいですし、演劇や歌ならミュージカルでもいいですし、誰かのスピーチを聴くでもいいです。人が表現しているところを体験させてあげることからだなと考えています。単なる見聞きと言うよりは、表現の場を体験した時に、その子の中で「!」マークがつくような、一種の感動、驚きが体感できるものだとよいですね。体験する時に注意したいのは、表現者が周囲に受け入れられていることがとても大切になってきます。

そして表現の過程を高評価されていること。表現の結果(絵の出来具合、舞台上で本番披露されている踊り)が高評価されているものは多いです。それもいいですが、表現を作り上げるまでの過程や、そこに出やすい個性を高評価されている。そんな表現の場を多く観せたり聴かせたり、その場を体験してしてもらうのが第一段階です。

「安心・安全な場」が表現を育む

それを十分に体験したら、子どもの周囲に表現しても安心で安全な場を整えることが重要になってきます。内弁慶だったりす流こともあると思います。私も私の息子も内弁慶ですw内弁慶で、家にいる時はすごく元気に歌ったり踊ったりします。保育園・学校でも慣れていれば元気に歌い踊り描き喋ります。それは周囲に安心しているからできること。表現とは人により程度の差はあれ、最初は勇気の必要なことです。安心な場所でないと、最初はなかなか表現しはじめません。「周りは大丈夫そうだ」となると徐々に表現を始めます。

必ず徐々に表現をし始めるので、表現し始めたら。その子の個性が表れているところだったり、表現の過程を必ず受け入れて、ポジティブなリアクションを返してあげてください。「評価」と言うならば高評価をしてあげてください。しかし、願わくば「評価」よりも、表現の辞術が素晴らしかったということよりも(それも素晴らしいのですが、最初は)「表現にチャレンジした」「表現やその過程にあなたらしさが見えていた」ということを認める声かけができ、受け入れられるといいなと思います。

「表現」をのばす段階

「表現しても大丈夫だ」と表現することへの安心感が安定してくると、今度は表現の技術や適切な表現法、表現力を伸ばす方向に向かい始めます。この段階に来た時に初めて、より適切な表現の仕方に話し合ってみたり、親御さんから意見を言ってみるとよいでしょう。習い事でいうと表現技術の指導を受けることになると思います。フレンドリーな指導スタイルをとる先生なら「指導」というよりも「促す」程度の感じになるかもしれません。

今述べた3段階を繰り返すことで、螺旋階段を登るように繰り返しながら少しずつ表現力が伸びていきます。表現力を伸ばすには、良いミュージカルを観て、技術を習得したから、じゃぁすぐにできるようになる。というわけではないです。直線階段のようにはなかなか行かないと思います。ミュージカルを観て、すぐにクラスでミュージカルの歌を歌って披露する表現力のある子は、すでにクラスでの安心感や、自分が受け入れられているという自信を基盤として持っているはずです。

まとめると、色んな表現者の表現が受け入れられているのを経験するのが一つです。そして、子どもの周りに表現しても安心・安全で非難されたりしない環境を整える。そして、周囲と表現への安心感・自信が安定してきたところで表現を始める。その子の表現をポジティブに認める。その上で表現力ををどう伸ばすか、表現技術の向上を目指した話し合いになります。なので、ちょっと時間のかかる子もいると思いますが、お子さんの個性を守るつもりで、時間をかけて表現力を育ててあげられるといいと思います。

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