子どもが自己管理できるようになってほしい

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「事柄の自己管理」とは

自己管理と言っても、物の管理、時間の管理、事柄の管理、いろんな自己管理があります。物の自己管理については、私の知り合いで、整理収納アドバイザーの方がいらして、発達段階・年齢ごとの整理整頓を教えるのが上手いので、機会を作ってその方にお願いしようかなと思っています。なので、今回私からは事柄の自己管理について述べていきたいと思います。

事柄というと、宿題・課題、何があるのかどれくらいかかるのか、分かった上で、実行でき提出できている。学校の準備物や持ち物を忘れずに準備できる、持っていける。そういったことがあるかと思います。時間管理でいうと、学校があって、行事や委員会で帰り時間に変動がある、そして習い事や塾がいつあるかわかっていて、どれにも参加できる。その上で、自分が宿題をやるにはどのくらい時間がかかるかわかっていて、その生活の中で宿題もきちんと提出できる。そういった事柄になってくるのかなと思います。

事柄を管理できる中に時間の管理も含まれるので、事柄にフォーカスして話していきます。事柄と言うと範囲が広いので、宿題・課題を例にとって話していきます。夏休みなど長期休暇では自己管理力がもっと問われてきますね。

「自己管理」は「自分ごと化」からはじまる

「自己管理」というからには、自分のことの管理なんですが。宿題を本当に「自分のこと」として受け止めている子はとても少ないです。「先生に言われたからやっている」「親がやらないと怒るからやっている」という子が大半かと思います。「言われたこと」が「自分のこと」まで腹に落ちて、やれている子は少ないと思います。学校と比べると自分で行っていることが多くなる塾でも実情少ないですね。本当に「自分ごと」にはなっていない。

まず初めは、「自分ごと」という意識を持ってもらう。「自分ごと」という意識を持ってもらわないと、自己管理は始まらないですね。「自分ごと」意識にするには、宿題を出されたら宿題をとりあえずやっている段階、まだ「他人事」で宿題をやっている段階でも、取り組んでいたら急かさない。「あなたがいいと思う、納得できる、これならいいだろうと思うまでやってみなさい」と促します。「まだ宿題やってないの」「早く宿題やっちゃいなさい」と急かさない。本人が宿題の存在を忘れているようなら、「宿題はやった?」とだけ声をかけて、やり始めたら「やり始めたのね、すごいわね」と、取り組み始めたことを認めて声をかけるだけにします。取り組んだこと自体を認める外部からの声かけが幾度も重なると、「取り組み始めることに意義があるんだ」と感じ始めます。宿題なんてやって当たり前、と思ったとしても、「やり始めたの、頑張ってるのね」といいます。そういった声をかけられ続けると、これが小さな成功体験になっていきます。

宿題をやり始めたら、「まだ終わらないの!」「早くやりなさい」と急かさず、自分で納得行くまでやらせてみる。難しくてなかなか進まないこともあるかと思いますが、「あら、そうなの」程度で、そのまま本人がどこまでやるかに任せておく。保護者様のほうから手を出して教えたりしないようにしてください。子どもから質問してくるまでは、放っておく。

そして一度提出の機会が来ると思います。難しくて全然できなくて提出する場合もあれば、半分くらいまでやれた、全てできて提出したなど、どの場合でも、次は家で「提出したのね、頑張ってたものね。お疲れ様」と「やった」ことを認めて、次に「今回やった宿題は何のためにやったの?」「宿題の目標は何だったの?」と質問してみてください。そして、話し合ってみてください。

宿題がでてもはなっから宿題が大嫌いで全然取りかからない場合もあるでしょう。その場合も提出期限が過ぎてから「宿題をやる意味ってなんだろう?」「あなたにとって宿題の目的って何?」「宿題やることでこうなるといいなと思う目標ってなに?」と訊いて、少し話し合う時間をとってみてください。

「自分ごと」にするには、その子なりの目的・小さな目標(目標は小さいことが重要です)、自分でやったという関与感が生む責任感、自己効力感に繋がる小さな成功体験の積み重ねが必要です。

「振り返り」と「承認の声かけ」がモチベーションアップにつながる

もう一つ、管理ができるようになる重要な要素が、自分がやったことを第三者の目線から見れることです。メタ認知ともいいます。そのために、宿題をやり始めてからの記録をとってください。子どもにとっては自分で宿題に取り組みながら、自分のやっていることの記録をとるのはワーキングメモリ的に非常に負荷がかかります。なので、この記録は保護者様がぜひ協力してあげて欲しいと思います。これは、よく見てくれていた人からの「承認の声かけ」の方が成功体験には効果を発揮するという面もあります。

記録をとったら振り返る。宿題をやるまでにこれだけ時間がかかった、こんなことを言っていた、この手順で進めた、終わらせるまでにこれだけかかった、その結果どうだったか。ということを一緒に見ていきます。記録をとって振り返るのはトライ アンド エラーなので、例え本人が「うまくいかなかった」と落ち込んでも、小さな成功を見つけて認めて、声をかけてあげてください。小さな成功体験が次へのモチベーションにつながっていくので、外部から認めると言うことを大切にして、エラーと捉えたままで振り返りが終わる事項は少ない方がいいと思います。

これを繰り返していくと、だんだんと自分ごとになっていきます。徐々に自分はどんなペースで何ができるのか、わかるようになってきます。そうすると時間感覚も身についてきます。時間感覚が身についてきたら、スケジュール帳やスケジュール表を利用し始めても、良い頃かと思います。スケジュール帳に自分でスケジュールを立ててもらう。この日に、これくらいの宿題をやってもらう。この日はお出かけがあるから当日の宿題は少なくして、宿題の配分は前後にふる、など優先順位を考えてスケジュール帳が活用できるようになってきます。

スケジュール帳を使う時も同じです。目標は小さく立てる。記録をとって振り返る。そして、トライ アンド エラーで計画崩れになった時には計画を立て直すことをやっていきます。これを繰り返すうちに、時間も含めて自分のことを自分で管理できるようになってきます。

実際、弊塾でも最初は「言われた課題ができなかった」なんて言う子もいますが、課題の量が増えても、徐々に自分でできる課題の内容、自分のペース、その週の予定の優先順位などを考慮しながらやり切れるようになってきます。

ですので、今回お話ししたような順序でぜひチャレンジしてみてください!

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