子どものモチベーションを引き出すには

入学や進級した子たちも、新学年から1〜2週間経った頃かなとおもいます。学校では行事やレクレーションなどがあったりして、全ての授業が軌道に乗ってきたわけではないので、子どもたちもまだそわそわしているのではないかなと思います。

しかし見守ってる保護者様からしたら、新しい学年になり、勉強にもやる気をだしてスタートダッシュかけてちょうだいよ!と思ってしまうこともあるようです。そして、「新学期になったのにモチベーションがでないんです、うちの子…」なんて声もよく耳にする時期でもあります。

そこで「子どものモチベーションを引き出す方法を知りたい」という声もあるので、今回は「子どものモチベーションを引き出すには」というテーマで綴っていきたいと思います。

「モチベーション」と「やる気」の違いとは

まず、モチベーションとやる気の違いです。同じ意味で使われることの多いこの二つの言葉。厳密に言うと、違いがあります。モチベーションはある行動を始めるきっかけの部分と、それを持続させることの二つの部分を含んでいます。今回はどちらかというと、モチベーションについて話していこうかなと思います。やる気というと日本語なんで、みなさんその表す感覚がしっくりくるかと思いますが、小学館のデジタル大辞典によると『進んで物事をなしとげようとする気持ち』とあります。モチベーションで言うところのきっかけにあたると考えられます。

やる気については、やる気と言うものが最初からあって、天から降ってきて手に入る、ある日やる気が湧いてきた!だから取り掛かれる。というものではありません。なにかしらの行動を始めて、行動にとりかかることで脳が集中していく作用が生まれてきます。ランニングなども、最初はめんどくさいんだけども、とりあえず走り始めてみると、気持ちいいと感じ始めたり、走ることに集中し始めます。やるからやる気が出てくるという構造になっています。なので、やる気があるからやれるのではなく、やるからやる気が出てくるという仕組みです。やる気が出てきて、そして持続していく。

「やる気だしなさい!」と言ったところで、やる気は何もないところからこないので、具体的行動を促す声かけ「数学の宿題はいつも時間がかかってるから、今時間あるから宿題始めるといいわよ」は良いのですが、「やる気をだしなさい」という声かけでは、なかなかお子さんは動けないかなと思います。このやる気の仕組みについて知っておいていただきたいと言うことが一つです。

「やってみる」からやる気が出る

今やる気のあるなしを考えてどちらにしても、実際やってみる。実際やってみると5分もすると、気分が乗ってくるなり、行動というのは同じ行動をくる返すようにできているので、5分もすると行動がペースにのり、ある程度の時間やり続けられるようになります。

これはモチベーションでいうところの「きっかけ」にあたります。モチベーションを出すにはきっかけが必要なんですね。きっかけには、達成感が感じられるもの、能力が向上した、自分が成長したと思える動機が必要です。これらを感じると脳から、幸せな楽しい、気持ち良いと感じさせるドーパミンが出ます。ドーパミンが出ることで、その楽しさ目的で行動が持続していくようになります。動機としては外発的な動機でも良いですし、内発的な動機でもよいです。内発的動機であると良いに越したことはありませんが、「これをやらないと、あんな酷い目に合わせられるからやる」という外発的動機でも、「これをやるのが好きだからやる」「楽しいからやる」「興味があるからもっとやっていたい」という内発的動機でもいいです。

そして、目標値を設定しておきます。目標には幅を持たせてください。例えば「10ページやる」と決めると、10ページできなかった時、「ダメだった、不成功だ」ということになり、モチベーションは下がっていきます。「達成できなかった」となると自分を否定し始め、ネガティブな思考になっていきます。

+ー2という幅があれば、10ページには達しなかったけど、8ページはできたから「自分はできたほうなんだ」という達成感が味わえます。12ページできた時よりも達成感は弱いかもしれませんが、自分に出すネガティブ評価はだいぶ軽くなり、ポジティブ評価がドーパミンを出してくれます。そしてその行動をまた引き続きやって行こうと維持していきます。次もうちょっと挑戦的な目標を立てたり行動したりといったことができるようになります。

しかしきっかけのドーパミンで続けられるのはそんなに長くはありません。なぜなら、人間の意識はある一定時間で意識が分散するようになっているからです。ずーっとある一点に集中して視野が対象に狭まっていたら、自然界にいたらどんな外敵が来るかわからないので、身を守るよう周囲に気を配るため、基本的には意識はある程度の時間で分散するようになっています。

集中力を維持する方法

そこで、集中を持続させる方法です。集中が切れ始めたかなと思ったら、頭頂部に意識を集中すると、そこに自分の内的な視野、そして実際の視野もある一点に絞られてきます。視野が狭まってくると集中はしやすくなってきます。これは馬が周囲を見えないようにマスクがかぶせられているのを同じ原理です。目を瞑って、頭頂部に意識を集中させて、目を開きます。すると目線が一点を見つめていることに気づくと思います。この状態でまた行動に入っていきます。すると行動初めて少しするとまた集中状態になって行動が持続します。

集中力にも、もちろん限度があって、だいたい短くて20分と言われています。長い方は60分とかあると思います。最初は自分の集中力していた時間を測って、自分の集力の限界を知り、物事に取り組む時に時間設定をしていただくとよいと思います。

これがモチベーションを引き出してモチベーションは行動を起こす要因と持続させるものをいうので、これで行動を起こさせる動機と、行動を持続させる集中力の部分でモチベーションが引き出せたと言えるかと思います。

これをやっても、1時間集中したいのに、集中している時間が5分など短くなってしまう、行動が持続する時間が短くなってしまう、動機がなかなか見つからないという子。そういう子には、まず一つ、体をうごかすと言う方法があります。体を動かすと体は集中しやすい状態になります。二つ目は報酬を設定する。これらをしながら動機の設定をします。

動機の設定が若干弱くても、何よりも大切なのは「とりあえず行動を初めてみる」「目標設定には幅を持たせる」がキーポイントです。そして人間の慣性に委ねて集中力が切れるまでやってみてください。

出典:『のうだま1 やる気の秘密』 幻冬舎文庫、上大岡トメ、池谷裕二共著

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